「ちゃんとおでこ冷やしなさいよ」



「は〜い」



これがいつものあたしの一日の始まり。



杉原 奏(すぎはら かなで)。



十六歳の高校一年生です。



冒頭の通りドジっ子です。



自分ではドジっ子じゃないって言い聞かせているんだけどね。


って、そんな事言ってる場合じゃない!



「遅刻だー!」



キーンコーンカーンコーン



ガラガラ



「お、おはようございます...」



「杉原さんまた傷だらけ。今日は何回転んだの?」



「えっと、四回です」




「杉原さんの家からここまで十分くらいだよね?どうやったらそんなに転ぶのか教えてほしいくらいだよ」