ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 しばらくして、ほのかの嗚咽が落ち着いた。


「レイジ君……みたいだったよ……」


 ウサギみたいに可愛い声にドキリ。


「は?」


「電話の時の……綾星くん……」


 はぁぁぁぁぁぁ??!!


 レイジって、さっき俺が読んでたマンガの?

 俺、そんな痛いセリフ吐いた?

 自分でも気づいていなくて、グルグルと記憶を巻き戻す。
 

『ほのかの全部、もう、俺の物なんで』


『これだけ言ってもわかんないの? ほのかのかわいい声、誰にも聞かせたくない、マジで』


 言ってるし……

 俺、すっげーハズいこと口走ってるし……

 無意識のうちに、ドロ甘レイジに乗っ取られていたんだ。

 レイジ、お前恐ろしすぎだな。

 大好きな雪だけじゃなく、俺の頭の中まで支配しようとしてんの?


 って、一番気になるのはほのかの反応。

 キモイことを口走った俺のこと、どう思った?

 あまりに心配で、身震いだけじゃおさまらない。

 ほのかは俺から瞳を逸らしながら、目を泳がせている。

 あぁ~もうなんだよ!

 俺に言いたいことがあるならはっきりと言え!

 その言葉を俺が吐き出すよりも早く、ほのかの声が空気を震わせた。