ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


「好き……です」


「は?」



 驚くように目を見開いた店員さんと視線が絡んで、恥ずかしさが込み上げてきた。

 なぜか駆け足で動き始めた心臓。



「店員さんのオムライスの方が……おいしいです」


「そういうのいいから」


「え?」


「俺に気を遣うとか、いらない」



 どうしよう。

 やっぱり伝わってない。



 言葉選びに焦る私。

 手で口元を覆い、うつむいたままの店員さん。




 って……え?



 店員さん、頬だけじゃなく耳まで真っ赤だよ。



「どうかしましたか?」


「別に……」


「体、だるいですか?」



 私の問いかけなんて無視。

 二人の間に無言の時間だけが過ぎていく。



「私……気に障ること……言っちゃいましたか?」


「綾星……」


「え?」


「俺の名前……あやせだから……」




 私の顔を避けるようにうつむいたままの店員さんの弱々しい声が、二人の間に流れる空気を優しく震えさせた。




「綺麗な名前ですね」


「お前は?」




 ひぇ?


 ただ名前を聞かれただけなのに、ドクンと胸が飛び跳ねたのはなぜだろう……