ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


「絆創膏貼ってあげる……綾星くんの指から血が出たら……」


「持ってないくせに」


「う……」


 ここは私のお家じゃないし。

 確かに絆創膏なんて持ってない。


「それでも、綾星くんの指を傷つけるのは……嫌なの……」


「わかってる」


「へ?」


「ほのかが俺を傷つけられないことくらい」

 
 いたずらしちゃった子供みたいなやんちゃ笑顔の綾星くんに、私の心がムギュンと掴まれたのがわかる。


 今の笑顔……
 
 かわいすぎ……


 ってダメダメ、綾星くんを甘やかしたら。

 私をからかって楽しんでいるんだかから。


 軽く睨んでみた。

 ほっぺも膨らませてみた。

 でも悪魔の微笑みは変わらない。


「冗談でもあんなこと言わないで……」


「半分は本気だよ」


 へ?


 いきなり悪魔オーラが消え、私の手から綾星くんの手のひらの温もりが消えた。

 私が睨んじゃったから、怒らせちゃたかな?

 もしかして嫌われたのかも。

 突然襲ってきた不安の波に飲み込まれていく私の心。
 
 私の脳が後悔で埋め尽くされた時、綾星くんの腕が私の胸の前に絡んできた。

 そして私を後ろから力強く抱きしめた。