ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目



 後ろから抱きしめられ、綾星くんの右手は包丁を握る私の右手の上に。

 綾星くんの左手は、玉ねぎをまな板に押し当てている私の左手の上に。


 綾星くんの胸が、私の背中にピタッと吸い付いていて
 
 背中から私の心臓の音が伝わっちゃいそう。

 恥ずかしさが度を越しすぎて、ドキドキが抑えれれない。


「これじゃ……玉ねぎ切れないよ……」


「大丈夫、俺が切るから」


 綾星くんが切る?
 
 包丁を握っているのは私だよ。


「このままじゃ……綾星くんの指が……切れちゃいそう……」


 これは脅しなんかじゃない。

 心臓が飛び跳ね続けているこの状態。

 ドキドキで手も震えている。

 そんな状態で玉ねぎのみじん切りなんてしたら。

 やっちゃいそう。

 綾星くんの長くて綺麗な指、包丁でグサッと切っちゃいそうだよ。


「綾星くん……」


「切ってもいいよ、俺の指」


 ひぃえ? 


 悪魔っぽく光らせた瞳が私の顔のすぐ横にあって、目が合った瞬間、私の胸がキュンととび跳ねた。

 悪魔モードの綾星くんもカッコ良すぎだよ、本当に。

 でも……