唇が重なった。
触れただけのキス。
柔らかくて、甘くて、すぐに唇を離した。
だってこれ以上触れていたら、自分が自分でいられなくなりそうで。
でも離れた後には素直に思ってしまったんだ。
もっと触れていたかったな。
そんなことを思ってしまった自分が余計に恥ずかしくて。
このドキドキがバレないように、首を思いっきりひねる。
綾星くんが視界に入らないように。
でも体中の細胞が、綾星くんを感じている。
だって私を後ろから抱きしめる綾星くんの頬が、私の首筋に押し当てられているから。
「俺、レイジの気持ちがすげーわかる」
「え?」
「レイジさ、雪にすっげー甘い言葉を吐くじゃん」
「うん」
「初めは痛い奴って思ってバカにしてたけど。好きな子に自分の想いを全部伝えたいって思ったら、言っちゃうよな。ドロ甘な言葉。レイジみたいにさ」
私の耳に綾星くんの吐息がかかる。
くすぐったくて肩をすくめる私の耳に、色気の含んだ声が吹きかけられた。



