ゆっくりと離れた唇。
恥ずかしくて。
顔にも心臓があるんじゃないかって思うくらい、頬もドクンドクンしていて。
ただただ、うつむくことしかできない私。
その時、悪魔に乗っ取られた綾星くんの声が、私の耳を襲った。
「俺の顔、見て」
ひぃえ!
恥ずかしすぎて、綾星くんの顔なんて見れない。
首を左右に振って、ムリだよって意思表示するので精いっぱい。
でも綾星くんは、そんな私を許してくれない。
「顔をあげて。恥ずかしがってるほのかのこと、ずっと見ていたいから」
私の顔を……
ずっと見ていたい……?
ちょっと、やめて、そんなくすぐったい言葉。
余計に顔の熱が上がって、綾星くんなんて見る余裕がなくなっちゃう。
勘弁してくださいとの思いを込め、ブンブンと勢いよく首を振る。
「それって逆効果だってわかってる?」
「え?」
「拒絶されたら余計見たくなる。大好きな女の顔」



