ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


 わかっていたよ。

 私なんかが綾星くんに好きになってもらえるわけないって。

 ちゃんとわかっていたけど……

 はっきり言われちゃうと、けっこう苦しいね。


 私の口から、胸の痛みを吐き出すようなため息が漏れる。


 その瞬間、私の右頬が大好きな手のひらで包まれた。

 驚いて顔を上げる。




「ごめん、マジでムリ」


「あ、うん」


「我慢なんて……」


「え?」


「嫌なら逃げろよ」


 綾星くんの低く男らしい声に、脳がどろんと溶けていくのがわかる。


 
 逃げる?

 そんなことできないよ。

 だって綾星くんの手のひらが、私の頬を捕まえて離してくれないから。


 違う…… 

 そうじゃない……


 逃げられないんじゃない。
 
 私が逃げたくない。

 もっともっと綾星くんとの距離が縮まりますようにって、切に願ってしまう。



 ゆっくりと近づく綾星くんの唇。

 早く触れて欲しい。

 でも触れる直前のこの幸福感も味わっていたい。


 二つの欲求が風船みたいに膨らんで、自分で抱えきれなくなった時、綾星くんの柔らかい唇が私の唇に優しく重なった。