ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


「結婚……するの?」


「結婚?」


「だから……御曹司と……」


 綾星くんの声が切なく空気を震わせて、私の感情に甘いしずくを落とす。


「……しないよ」


「え?」


「苺さんに変な誤解をされたくなくて、あの夜道で結婚するってウソついちゃっただけだから……」


「誤解って何のだよ?」


 綾星くんの背中越しの声。

 言葉はきついのに、なぜか弱々しく耳に溶ける。

 私は心にずっと刺さり続けていた言葉を、綾星くんに投げかけた。

 
「まだ……付き合ってるの?」


 誰と?という声と共に振り返り、私に体を向けた綾星くん。

 目を細めた綾星くんの表情が思ったより弱々しくて、私は絡んだ視線をすっと外した。


 これ以上、苺さんのことなんて聞いちゃダメって思ったけれど、ドキドキに急かされ、口を抑えることができない。


「だから……苺さんと……」


 私と綾星くんの間に流れる息苦しい空気。

 少し吸い込むだけで、肺が押しつぶされたように痛む。