☆ほのかside☆


 綾星くんに手をつながれ
 やってきたのは綾星くんの部屋。


 夜8時から9時までの1時間だけ。
 私はこの部屋で
 綾星くんを独り占め。


 綾星くんファンに見つかったら
 刺されちゃうかな?


 綾星くんは
 ファンの子たちに本性を暴露してから
 人気が一気に上がった。



 『ドS』で『悪魔』で
 『余裕のある貴公子』で。

 いろんな綾星くんの表情に
 キュンキュンするっていう、
 熱狂的なファンも増えたみたい。

 
 今まではアミュレットの中で
 雅くんがダントツで人気1位を
 独占だったけど。

 綾星くんが1位になることも増えてきた。


 嬉しいな。
 綾星くんの良さを
 みんなにわかってもらえるのは。


 でも。
 心配でもある。不安でもある。

 
 綾星くんの隣にいるのが
 こんな冴えない私でいいのかな?

 いつか
 私より好きな子ができて
 いなくなっちゃうんじゃないかなって。


 綾星くんにもらった
 シャーベットブルー色の雫のネックレス。

 不安そうに私の胸元で揺れている。


 私は泣き出しそうな雫を
 手のひらで思いっきり握りしめた。