ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


 ショッピングモールからアパートまでの記憶は、ほとんどない。

 とりあえず帰ろう。

 ナマケモノさんのところに帰ろう。

 その思いだけで、なんとかアパートにたどり着いた。


 手を洗うこともしないで、自分のベッドに顔からバタリ。

 気持ちよさそうに寝そべっている抱き枕のナマケモノさんの胸を、思いっきり締め付け抱きしめた。


 私って、勇気を出して綾星くんに会いに行った意味、あったのかな?


 綾星くんとの関係は、何か変わったかな?


 変わってないよね、全然。

 私が綾星くんに会いたかったって。

 毎日会いたくて、会いたくてたまんないって。

 素直な気持ちを伝えられなかったんだもん。

 好きだよって言えなかったんだもん。


 私なんかが、綾星くんに好きになってもらえるはずないってわかっている。

 分かっているはずなのに。

 どうしても捨てきれない綾星くんへの想い。


 私はこの想いを、どう処理したらいい?

 時間が経てば宝物のような思い出とともに消え去ってくれる?



 このマンガも手放さなきゃダメだよね。

 綾星くんがサインを書いてくれたドロ痛の最終巻。


 前の巻で、雪ちゃんはレイジ君の元を去った。

 レイジ君からの甘くて重すぎる想いを、受け止めきれないからって。


 マンガのレイジと雪ちゃんは、ハッピーエンドになって欲しいな。

 私の恋はもう、綾星くんと交わることができなさそうだから。


 二人の恋を見届けたくて、ドロ痛の最終巻を開く。

 カバーに隠された綾星くんのサインに、目を向けた。


 え?