どんどん広がる、俺との距離。
行くなよ。
俺の歌、最後まで聞けよ。
そう願っても。
ほのかへの想いを
必死に歌声に溶け込ませてみても。
ほのかは振り返りもしないで
どんどん離れて行ってしまう。
そしてついに。
ほのかは、俺の視界から完全に消えた。
春輝が本番前
必死に訴えていたことを思いだす。
『ステージで歌ったら……
ほののんの歌じゃ……
なくなっちゃうから……』
春輝は、わかっていたわけ?
ほのかへの想いだけを詰め込んだ
このラブソングだけど。
苺と歌声を重ねた瞬間から
ほのかの曲ではなくなってしまうことを。
バカだな、俺。
告白ソングのつもりが。
大好きな子を痛めつける曲なんて
歌っちゃってさ。
サビの部分に来た。
一番聞いて欲しい歌詞が
行き場をなくして彷徨っている。
俺の心にむなしく響くLOVEフレーズが
情けない俺をあざ笑うかのように
頭の中でウザいぐらいにこだました。



