ココロ〜食べなきゃ幸せになれない〜

朝ご飯、昼ご飯、夜ご飯、を抜いて楓はウォーキングなどの運動を必死でする。体に取り入れるのは水分だけで、誘惑に負けて食べてしまった時にはトイレで無理やり吐いた。

そんな不健康なことをしていれば、一週間もすれば楓が驚くほど体重が減っていた。

「楓、痩せた?ちゃんとダイエットしてるんだ」

浩二がそう言ってくれたのが嬉しく、楓は「もっと痩せるから」と微笑む。浩二が応援してくれるのなら、絶食など乗り越えられると楓は思った。

楓は痩せて綺麗になっていると思っているが、友達や家族は心配し始める。楓に「きちんとご飯を食べなさい!」と言ったり、「さすがに痩せすぎよ」と言った。

「うるさいな!あたしは太りたくないの!!太ったりしたら彼に捨てられるんだから!!」

自分に何かを食べさせようとする人は敵だ。楓はそう思い、必死に何かを食べさせようとする家族や友達に威嚇し、絶食を続ける。鏡に映った痩せた自分が何よりも美しく、楓は満足げに微笑んだ。