「まだ高校生なのにねぇ…」 「あの明るかった子が…」 大量の花と、遺影には笑顔の女の子。 「…っ」 前の人の焼香が終わり、自分の番が来て、耐えきれずに私は外に出た。 そこには雨に濡れているにも関わらず、ただ立っている水瀬が居た。 「…濡れるよ。」 精一杯振り絞った言葉がそれ。 その一言以外は何も言えなかった。 ───水瀬の泣き顔を、その時初めて見たから。