「はい、どうぞ。」
すぐ近くにあった私の家へ結月を連れて、温かい飲み物をテーブルの上に置く。
いつもなら大好きですぐに飲むミルクティーにも手をつけなかった。
「…れ、ぃ…か…」
唇をキュッと噛み、涙をポロポロ流し出す結月。
その肩を抱き、静かに聞いた。
「わたし、ねっ…?」
その唇は、噛みすぎて血が出てくるほど。
「汚れ、ちゃったの…」
その言葉を境に、何かが切れたように結月は声を上げ泣き出した。
その姿は胸が締め付けられるようで、私は結月の背中をさすることしか出来なかった。
「…2ヶ月前からね、いじめられてるの。」
2ヶ月前…それは水瀬と結月が付き合った頃。
たまたまだと言われればそうだけど、感じる違和感もある。

