「…莉茉───」
言われた病室に入ると、そこには遊佐が居た。
遊佐は俺に気づき、近づいてくる。そして……
「遊佐さん!やめてください!」
俺をぶん殴った。
それは怒りがこもっていて、流石に痛い。
「…離してあげてください。」
遊佐を取り押さえる看護師さんにそう言うと、遊佐は離された途端俺の胸ぐらを掴みに来た。
「アンタ、何やってんすか…」
それは心底呆れたような声で。
それも仕方ない。全て受け入れるしか、今は出来ない。
「…ごめん。」
「俺に謝罪なんかいらない。…でもアンタ、本当に謝るべき人に謝ったんですか?」
謝るどころか俺は、何も言えなかったよ。
信じることも、何もかも出来なかった。