「…遊佐のことが好き?」
その顔は、私の心臓を握り潰すかのように苦しくなる。
眉は下がっているのに口角は上がっていて、自分自身を否定しているような、そんな顔。
「私が好きなのは絢くんだけだよ。」
それはこれからも、ずっと変わらない。
「どうして何も言ってくれないの…?」
俯いたまま絢くんは何も言わない。
「絢くんこそ、私といて幸せ?」
その問いにさえも答えてはくれない。
「…もう、ダメなんだね、私たち。」
何も言わないなら、つまりそういうことでしょう?
「…誕生日プレゼント被っちゃったの。ごめんね。」
綺麗にラッピングされた箱を絢くんの横に置いた。