「…もしかして、寝てないの?」


気がつけば外は明るくなっていた。


「絢くん…具合はどう?」


リビングに来た絢くんを見る限り顔色もいいし、熱はなさそう。

その調子ならきっと絢くんは仕事に行くって言い出すだろうな。


「俺は大丈夫。…けど莉茉が、」

「…っ」



なんだろう。
なんで、絢くんを拒絶してるの?

絢くんは悪くない。
何も悪くない。

なのにどうして、こんなにも胸が痛いの?





「…仕事行ってくる。」


こんな目じゃ仕事に行けない。
今日は休んじゃおう。



それに……“あの人”を見てしまったら、私は泣いてしまうかもしれないから。