「…清水さん?」

笑いを堪えているのか、肩を震わせている清水さん。


「冗談じゃない。誰があんな男と付き合うかっての。」

「…え?!」

「その噂、嘘だから。私とあいつは幼馴染なだけ。」


水瀬さんと清水さんが付き合ってるってことが、全部嘘だった…?



「…その反応は、あいつ狙いと見た。」

そう言って清水さんが指さす先には、電話で対応しながら忙しそうな水瀬さんがいた。



「な、なんでわか…っじゃなくて、えと、その……」


この人、鋭い人だ…
というより私がわかりやすいだけなのか、どっちなんだろう…。




「もしかして篠宮 莉茉って君だったりする?」

「あ、はい…私です!」


何か考えるように私をじーっと見つめ、清水さんはなるほど、と頷いた。