「ごめんな急に。」
「ううん!それで、どうしたの?」
ここは、前に私が泣いてた自販機横の長椅子。
色々と思い出す所だなぁ…。
「…あのさ、篠宮って、付き合ってる人とかいる?」
突然の問いに、私の思考は停止した。
この場合名前を出さなければOKなのか、でも絢くんは葛西さんに恋人の存在すら伝えてなかったし。
「…水瀬さん、だよな。」
「…っお願い…!」
気がつけば私は、遊佐くんに縋り付いていた。
「し、のみや…?」
バレてしまった。
…バレてしまった以上、こうするしかない。
「…お願い、皆には黙ってて…」
力が抜け、私は遊佐くんに支えられた。
周りから見れば抱き合っているように見えたかもしれない。

