「ん。ありがと」

ニュースを見ている絢くんの前にコーヒーを置いた。

こんな朝は久しぶりで、さっきから絢くんを見つめてばかり。



「…何?」


相変わらず少し素っ気ないところも、いつも通り。

でも昨日は何だったんだろう。




“…もう少しだけ。”

朝、二日酔いの頭の痛みで目が覚めた私は体が動かなかった。

まさか金縛り?なんて思ってたけど、それは素晴らしい金縛りにあっていて。




「何ニヤけてんの。怖いよ」

「ご、ごめん…」


昨日の朝は絢くんに抱きしめられていて、幸せだったってことを思い出してたらニヤニヤが止まらない。




「まだ食べてるんだ」


すっかりスーツに着替え、出勤スタイルの絢くんを見て少しガッカリ。