絢都side
「…やっと終わった。」
時計を見ると16時。
大分待たせたけど、絶対拗ねてるな。
「莉茉?」
振り返ってもそこにはいなかった。
ただそれだけで少し不安になる。
「莉茉、隠れてるんなら───」
リビングに行くと、テーブルの上には料理と紙が置いてあった。
「“玲華の所に行ってくるね。お仕事頑張ってね”」
そのメッセージと、相変わらずの緩い画力の猫。
「玲華ん家か…」
ここからそう遠くはないし、相手が玲華なら心配もない。
……ない、はず。
『もしもし。』
「…なんで玲華が出てんの」
『なんでって、ぼっち姫が泣き疲れて寝たからだけど。』