「莉茉は何も分かってない。」

「へ…?」


何も分かってない…って、絢くんが今何に怒っているのか分かって謝ったつもりだった。


「…俺がなんで怒ってんのか、全然理由違うし。」

「え…?!」


まさかの言葉に開いた口が塞がらない。

じゃあ絢くんは何に怒ってるんだろう?考えてもわからないけど…。




「…葛西さんには休み明け俺から話しとくからこの話はもういい。てことで」


突然私を抱き抱えた絢くんは、私をソファへと連れてきた。


「え、と……絢くん…?」

その横に座った絢くんはじーっと私を見つめてくる。




「…貰ってないんだけど。」


少しムスッとした絢くん。
貰ってないって……



「…あ!」


色々あってすっかり忘れてた。バレンタインのチョコレート…