「水瀬くん、これ!」
「これも貰って〜!」
…見ての通り、バレンタイン当日。
「莉茉、そんなブスってしないの。」
「……してないもん。」
「してるから。」
「…ひへはいほふ(してないもん)。」
玲華に頬を軽く引っ張られ、何だかおかしくなって拗ねるのはやめた。
こんなの去年もだったし、まだ付き合ってなくてあんまり気にしてなかった一昨年も、あんな風にたくさん貰ってたし。
「…玲華も、人のこと言えないからね!」
新城社長は40代後半だけど、実年齢よりすごく若く見られて若い子たちにすごく人気がある。
「いいの、私は。何よりも今日は莉茉が心配だし」
そう言って私の頭を撫でる玲華に思いっきり抱きついた。
なんかこう、もし絢くんと結婚したら、玲華と絢くんは姉弟じゃないけど義理の姉のような関係になりそう…。

