「で、やっぱり今年も手作り?」
「うん。そうする!」
仕事帰り、バレンタインのチョコレートが売ってあるお店に玲華と来た。
「私は買っとこっと。」
玲華が手に取ったのはカカオ75%の苦めなチョコレート。
誰かにあげるのかな、玲華も。
「気になる?」
「へ?」
「私が誰にあげるのか。」
玲華は鋭い…ほんとに。
絢くんと玲華が組めば、私の心の内はきっと赤裸々になってしまう…そんな気がするもん。
「き、気にならない…こともない…かな?」
「…なにそれ。」
クスッと笑いながら、玲華はチョコレートを袋から出した。
「新城社長。」
「…ぅえっ?!」
…つい、変な声が出てしまった。

