───その日は雨だった。 “私、雨の日って好き!” “なんで?” “んー…絢くんと相合傘できるから?” “疑問形なんだ。” “えへへ。だって今思えば、私、絢くんと一緒に居れれば嫌いな日ってないもん!” あの時、恥ずかしがって言えなかった言葉の数々が今になって頭に浮かぶ。 後悔と、喪失感と、無力さが一気に押し寄せてきてはこの雨が恨めしくなる。 この雨の粒の数だけ結月との思い出が蘇っているようで。 …さっきから、胸が苦しいから。