塩対応彼氏の恋愛事情。



時の流れとは早いもので、あれから走ってあの廃墟ビルに向かっても、野次馬も救急車もいなかった。

残っていたのはブルーシートに囲まれた廃墟ビルのそばに居た警察官数人だけ。



「ちょっと君!ここは立ち入り禁止だよ!」


警察官に止められても俺は進む。

ブルーシートの向こう側に見えた血痕が、さっきから俺の心臓を鷲掴みにしているようで。



「……いつらのせいだ…」


歯を食いしばった時に噛んだ口の中からは血が出てくる。

それにもお構い無しに俺は、その場に立ちつくした。



「…もしかして、飛び降りた子の知り合いかい?」


1人の歳いった警察官がハンカチを差し出しながら聞いてきた。