「莉茉ちゃんにはこっち、玲華さんにはこれ!」
「わ〜ありがとう!」
「ありがとう、佳奈。」
“HappyValentine”と書かれたメッセージカード付きの可愛い箱を渡し、また走って佳奈ちゃんは自分の部署へと戻って行った。
「莉茉、今はダメ。」
「うっ…。」
じーっと箱を見ていると、玲華に心のうちがバレたらしい。
食べたい。佳奈ちゃんの選ぶものはいつもセンスが良くて何より私の事を熟知してるから、また今回のも…!
「あ、水瀬だ」
「えっどこどこ?!」
「ウソ。」
「なーんだ…」
ずっとチョコレートのことを考えててぼーっとしていた私が一気に絢くんの事を考える脳になったのに。
「ほんとに莉茉は水瀬の事好きだね。」