君が俺の想いにどれだけ傷ついたかわからないし、知ることはできない。でも、これからは幸せに笑っていてほしい。君はもう遠い存在の人になってしまったけど、幼なじみであることに変わりはないから。

結婚式は順調に進み、披露宴となった。お色直しをして白いドレスから淡い水色のドレスに着替えたアイツと旦那が舞台の上に上がる。

「今日、夫婦となったお二人がデュエットをするそうです!!」

司会者が盛り上げ、会場から拍手が沸き起こった。流れ始めた音楽に俺は驚く。この歌は俺の結婚式でアイツが歌ってくれたものだ。

驚く俺とアイツの目が合う。その瞬間、アイツは今までで一番幸せそうな顔で笑ったんだ。

その日聴いたアイツの歌声は、今までのどんな歌よりも美しく、極上のものだった。