Blessing Flower〜君のために〜

もっと違うことを言うはずだったのに、何故か告白してしまった。アイツは目を見開いているけど、後悔はしていない。想っていたことを告げないままより、伝えてしまった方が気持ちが軽くなっていいんだ。

「……私も、ずっとあんたのこと、好きだったよ」

アイツがそう言い、優しく笑う。俺も笑っていた。涙は流さない。だってこの想いは過去のものだから。俺たちは互いに幸せを見つけ、その人と未来を作っていかなければならない。だから、笑って見送り合うんだ。

「じゃあ、そろそろ行くよ。式が始まっちゃう」

俺は部屋に置かれた時計を見て言う。アイツは「うん、そうだね」と頷いて見送ってくれた。

「来てくれて、本当にありがとう」

ドアが閉まる直前、アイツはそう言っていた。



永遠の愛を誓う結婚式は、やはり自分のものも他人のものも素晴らしく感じる。

祭壇の前に立ち、アイツは「誓います」と言って微笑んでいた。そして、家族となった人と優しく唇を重ねる。ドラマのワンシーンみたいだ。