Blessing Flower〜君のために〜

「……綺麗だな」

「当たり前よ。世界で一番幸せな花嫁なんだから」

俺の言葉にそう言うアイツはやっぱり変わっていない。それと同時に思うんだ。この人が初めて好きになった人でよかったって。

「結婚おめでとう!これ、大したもんじゃないけどプレゼント」

俺は背後に隠していた花束をアイツに手渡す。ハートの形の葉っぱが可愛らしいベゴニアの花束だ。

「わあ、素敵!あんたが花をくれるなんて意外だったわ」

「失礼だな。愛梨たちにも花を贈ったりしてるぞ?もちろんこれから産まれる子どもにもプレゼントとして贈るつもりだ」

「へえ〜……。あんたってロマンチストなんだ?」

「花をあげるくらい普通だろ?」

アイツは嬉しそうにベゴニアの花束を手に取り、美しいピンクの花を見つめている。ベゴニアの花言葉は「幸福な日々」。いつまでも相手と手を取り合って過ごしているように願いを込めてこの花を選んだ。

「あのさ……俺、お前のことガキの頃好きだった」