「あ……じゃあ、お願いしてもいい…?」
すると百叶は一瞬、ほんの少し目を丸くしたあと、すぐに笑みを浮かべて立ち上がった。
「おっけー!じゃあ行ってくるね、ちょっと待ってて」
「じゃあ俺も行くわ!ももちゃん一緒に行こ」
私に目配せをした宮城くんは、嬉しそうに百叶と並んで売店へ向かった。
よ、よかった〜…
2人きりにしてあげられるタイミングが見つかってよかった……!
「…おまえ、西内には少しは甘えられるようになってきたな」
「え…?」
隣に座った成瀬くんが、背もたれに身を預けながら続けた。
「その調子で、言いたいことちゃんと言えるように頑張れよ」
「あ…はい…」
本当は、甘えたとかじゃなく宮城くんのためにそう言ったんだけど…
でも、こういう小さなことから少しずつ頑張ればいいのかな……?
「…で何、おまえはもう疲れたの?」
「つ、疲れてないです…!」
「ハイ今嘘ついた」
「う、違います、嘘じゃないです」
「嘘つきましたって顔に書いてあんだよアホ」
「な…っ、アホは余計です…!」
「お〜ナニ2人盛り上がってんね!」
「お待たせ、柚」
「…!」
そこに、飲み物を抱えた百叶と宮城くんが戻ってきた。
「ありがとう、百叶、宮城くん…!」
「はいこれ、柚が好きなジュースあったよ」
「ありがとう…!」
百叶から、冷えたペットボトルを受け取る。
ジュースを一口ごくりと飲み込むと、その甘さが体に染み渡った。
「何かいいな〜こういうの、高校生してるって感じだわ!」
ペットボトルを手に、空を見上げた宮城くんは眩しそうに目を細めた。


