……戻ろう…
最後の1番奥の、誰もいない教室の中をぼーっと眺めながら、私は力なく教室を出た。
1組だった私の教室はここよりももっと手前で、こんな奥まで来ることなんて全然…………
「………っあ」
私は、ハッとして振り返った。
廊下の1番奥…本当の1番奥には、資料室…通称物置。
1年生の頃に、何度か成瀬くんに呼び出されていたところ…
思い出した。
廊下の突き当たり、向かって左手にその物置がある。
私の足は自然とそちらへ向かっていた。
物置の前まで来ると、僅かにドアが開いていた。
少し緊張しながら、私はドアをそっと開けた。
…ほんの少し、埃っぽい。中の様子は、変わっていなかった。
無造作に、そこかしこに色々な段ボールや木製のパネルが置いてある。
……成瀬くん……いるかな…
そのまま奥に進むと、投げ出された長い脚が見えた。
「…っあ、成瀬くん…」
〝ガタン〟
「…ん、」
「……あ…っ」
そこに、寝ている成瀬くんを見つけた私は、嬉しくなって思わず駆け寄ろうとした。
ーーーが、足元にあった段ボールに気づかず、足を引っかけてバランスを崩した。
「……おまえ、何してんの」
「……え、と……な、成瀬くんを、探しに…」
は、恥ずかしい………!!!
成瀬くんの目の前で盛大に転んだ私は目を合わせることができず、視線はどんどん下がっていく。
穴があったら入りたい………
「…ったく、おまえ何回転ぶんだよ」


