直球すぎです、成瀬くん




カフェを出て、最寄駅のホームで電車を待ちながら、ふと成瀬くんが口を開いた。


「おまえ、今日はちゃんと言いたいこと全部言ったか?」



聞かれて、改めて思い出してみる。


……全部言えたと言ったら嘘になる。



お昼のLINEに始まり、放課後いきなり行くところを決めろ、場所をちゃんと確認しなかった私も悪かったけれどあんなことも言われたし…


「成瀬くん、むちゃくちゃですよ…!」


私が今思ったことを全て成瀬くんに話した。



「おー、そりゃひでーな」

「…!」


なのに成瀬くんは他人事のように呑気にさらりとそう言った。


「な、成瀬くん……自分が言ったこと忘れたんですか…?」

「冗談だよ、んなコワイ顔すんなって」


怖い顔をしているつもりはなかったけれど、成瀬くんは笑いながら、私の頭にぽんと左手を置いた。


「悪かったよ」



その瞬間、私の胸が知らない音を立てた。


電車も到着して、風が私の前髪をさらっていくのと同時に、頭の上にあった手が離れた。




………な、何、今の………え…………?



少しパニックになってしまっている私をよそに、成瀬くんは開いた電車のドアを通り抜けた。


着いてこない私に気づいた成瀬くんは振り返ると、「置いて帰んぞ」と意地悪な顔で私を呼んだ。



原因不明の胸の音を抑えながら、私は慌てて電車に乗り込む。



行きの電車とは打って変わって、人がほとんど乗っていない車両に、私は成瀬くんと並んで座った。



静かに深呼吸を繰り返していたら、少しずつ落ち着いてきた……




すると不意に、成瀬くんが話し始めた。