「…あの、遠いところ選んでごめんなさい…」
待ち時間の無言が何となく怖くて、私はもう一度謝罪の言葉を口にした。
「あーもういいよ。むしろ遠い方がよかったんじゃね」
「え…」
「ここら辺ならうちの生徒いないだろうし、おまえも好き勝手言えんだろ」
そう言うと成瀬くんは、グラスの水を一口飲んだ。
好き勝手って………成瀬くんは色々とハッキリ口にしすぎだよ…!
成瀬くんのように、自分の気持ちとか思ったこととか、ちゃんと言葉にしたいとは思ってるけど………それにしたって正直すぎると感じることが多々ある…さっきの『クソ遠い』発言もそうだし…
出会ったばかりの頃なんて、成瀬くんがどういう人なのか知らなかったから、あまりにもストレートすぎる言葉にショックを受けたり傷ついたりしたこともあったし……
「…成瀬くんは、思ったことはっきり口にしすぎだと思います…」
「あ?急に何」
「ごっ、ごめんなさい…」
今思ったこと、言ってみようかなと思って勇気出して言ってみたけど……すごい怖い顔された……
鋭い視線が刺さって、私は思わず目線を落とした。
「またソレ、口癖。ごめんなさい星人」
「………え…」
ご、ごめんなさい星人………??
あの成瀬くんの口からそんな言葉が出てくるとは思わず、私は反射的に顔を上げて成瀬くんを見た。
「俺の前ではそれ禁止で」
「えっ…」
「咄嗟のごめんなさい、聞いててムカつくから」
「…!」
言葉こそいつも通りキツかったけれど、そう言った成瀬くんの口角が僅かに上がっている気がして………なぜか私は少し緊張してしまった。


