「…あの…ごめんなさい、カフェの場所、よく確認しないで見せちゃって…」
さっきちゃんと謝れていなかったのでそう口にすると、成瀬くんは窓の外に向けていた視線をこちらに移した。
「マジで。休み明け早々ありえねー」
それだけ言うと、成瀬くんはまた外を見た。
その横顔に、僅かに笑みが滲んで見えたのは気のせい…………?
…いや、うん、気のせいだよね、成瀬くんだもん。それに口調だっていつも通りだったし…
目的地の最寄駅から歩いて5分ほどでカフェに到着した。
ログハウスのような外観で、入り口近くの黒板風のボードには、おすすめのメニューが書かれている。
やっぱり、ホームページにも大きな写真が載っていた通りパンケーキが人気みたい。
それを横目に、先に店に入ってしまった成瀬くんを追って私も中に入った。
入るとすぐに窓側のテーブル席に案内され、店員さんから手渡されたメニューを開く。
パンケーキだけでこんなに種類がある……!
プレーンもいいけど、王道のベリー系も好きだし…チョコバナナもいいなあ……あっ、はちみつもある…!
「…っあ、成瀬くん、すみませんメニュー1人だけで見てしまって…」
ついパンケーキに釘付けになってしまってメニューを独り占めしていたことに気づき、慌てて成瀬くんにメニューを差し出す。
「俺はいい、もう決まってる」
「えっ…」
は、早い………!
じゃあ私も早く決めなきゃ……
悩んだ末、私ははちみつのパンケーキ、成瀬くんはコーヒーを注文した。


