しかし、思いは惜しくも届かず……先輩たちの連続ポイントをきっかけに相手が怒涛の勢いで得点を追加…そのまま25点目が入ってしまった。
試合終了のホイッスルが虚しく響く。
先輩たちは、2回戦敗退となってしまった。
「……あ、先輩出てきた…」
廊下で先輩を待っていると、しばらくして、朝井先輩が姿を見せた。
それにいち早く気づいた百叶が、私を連れて先輩に駆け寄る。
「先輩、お疲れ様でした」
遠慮がちな声色の百叶に対し、先輩はいつもと変わらぬ柔らかな笑顔を見せた。
「来てくれてありがとう。せっかく応援してくれたのに、勝てなくてごめんね…」
けれどその声には、僅かに悔しさが滲んでいた。
「先輩、そんな…」
そこまで言いかけて、なんて言葉をかけたらいいのかわからなくて、言葉に詰まってしまった。
「かっこよかったです、今日はゆっくり休んでください」
「ありがとう…まだまだ練習しなきゃだね」
百叶の言葉にまた笑って答えたけれど、僅かに下唇を噛んだ先輩の表情は、少しずつ曇っていった。
「朝井ー、コーチ呼んでる」
そんな先輩の後ろから、先輩を呼ぶ声が飛んできた。
「…あ、じゃあ、俺戻るね。今日は本当ありがとう、気をつけて帰ってね」
最後はいつもの爽やかな笑顔で手を振ると、駆け足で廊下の先に消えていった。
百叶と私はしばらく何も言えずに、走っていく先輩の後ろ姿をただ見ていた。


