直球すぎです、成瀬くん




お昼を食べ終え会場に戻ると、ちょうど先輩たちの試合が始まろうとしているところだった。


「まだ始まってないよね…?先輩たち、何色だっけ?」

「青だった気が…」

「あ、ほんとだ、先輩見つけた!」


これから始まる試合を前に一層盛り上がる会場の中、青いユニフォームを纏った先輩たちがコートに入った。

百叶が先輩を見つけた数秒後、私もその姿を見つけた。ーーー背番号4。

よく見ると、いつも先輩と一緒にいる背の高い人たちも同じユニフォームを着て、コートに立っていた。同じバレー部だったんだ…!




いよいよ試合が始まる。

先輩たちはそれぞれハイタッチを交わしてポジションにつく。

やがて、試合開始を告げるホイッスルが会場いっぱいに響き、相手チームのサーバーがボールを高く放った。








「わ〜〜!!!また先輩決めたよ!柚っ!」

「うん!すごいね…!!」



試合は、常に先輩たちが優位に立っていた。

あっという間に2セットを先取し、ただ今3セット目。朝井先輩が、本日もう何本目かわからないスパイクを決めた。

決めたあとの朝井先輩のもとに集まりハイタッチを交わす先輩たちの姿は、疲れなんて少しも感じさせないくらい軽やかだった。



そしてそのまま、先輩たちは3セット目も勝ち取り見事なストレート勝利を収めた。





「先輩!お疲れ様です!おめでとうございます!」

「ありがとう」


帰り際、朝井先輩を見つけた百叶は小走りで駆け寄り声をかけた。

私も慌ててあとを追い、「お疲れ様です…!」と言葉をかけた。


「ありがとう、2人の応援のおかげだよ」

「いえそんな…」


あんなに動き回った試合のあとにも関わらず、先輩はいつも通りの爽やかな笑顔でそう言った。


「明日も試合があるんだけど、来る?」

「え、行きたいです!ね、柚!」


私を振り返った百叶の瞳はきらきらと輝いていた。こんなに楽しそうな百叶が見れたことが嬉しくて、私も笑顔で頷いた。


「よかった…!明日はお昼くらいの開始だから、また応援しに来てくれたら俺たちも頑張れるよ」


柔らかく笑った先輩は、首にかけたタオルで額の汗を拭った。