「お母さん、お弁当ありがとう
いってきます 」
リビングに向かって少し大きな声で言うと
お母さんは、すぐに玄関のところまできてくれた。
「いってらっしゃい、
気をつけてね 」
お母さんが笑顔を向けてくれたので
無理に笑顔を作って、そのまま家を出る。
びゅうー
「寒っ………」
こおりそうなつめたい風が吹きつけてきたので、ぶるっ…とふるえてしまった。
もう11月だもんね………
ついこないだまで暑いくらいだったから、めちゃくちゃ寒く感じるよ。
無意識のうちに、カーディガンの袖を伸ばして、手を隠すようにして学校まで少しだけ走る。
本当は喘息持ちだからあんまり走ったりしたらいけないんだけど、遅刻したらまずいし仕方ないよね。


![お医者さんとの恋[短編]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/1110524/xpcqjh5tdr-thumb.jpg)