君がいたから


心霊病棟って書かれている、教室に入ると

薄暗い上に、病院独特の消毒液の臭いがした。

予想以上にリアル感があって
本気で怖いよ。これ


ダンボールで作られているとはいえ
本物そっくりの医療器具や手術道具までもが置いてありそれだけでも泣きそうなのに…

包帯した血だらけの人形…
赤ちゃんの泣き声までして、もう限界…


それでも、ビクビクしながらも蓮先生について行くと、ガタッと変な音がして注射器が飛んでくる。

「いやー 助けてー 」

叫び声と涙が止まらなくて、蓮先生に後ろから思いっきり抱きついてしまう…


「結愛ちゃん、偽物だから落ち着いて 」


「わかっている…よ。でも…グスン 」


「手握っているから、怖くないよ
大丈夫 大丈夫 」


体も密着して本来なら、
すごいドキドキするところなんだろうけど、
もうそれどころじゃないくらい怖くて…
ギュッーと手を握って、蓮先生にしがみつきながら心霊病棟の外まで出る