君がいたから


教室から出ると、この変な空気をなんとか

変えないと…そう思い必死に話題を考える。


「れ、蓮先生、そういえばお父さんとお母さんはどこ行ったの? 」


蓮先生はたしか、監視役として
お父さんといっしょにくる予定だったはず。



「陽翔先生と結菜さんは、二人で回っているよ 。だから俺たちも今日は楽しもう 」


「うんっ、ありがとう 」


ドキドキは止まらないどころかさっきより増していたけど、蓮先生と楽しみたい気持ちが強くなり、笑顔で答える。


「じゃあ、ここ楽しそうだし
入ってみようか 」


「…うん 」


蓮先生が指すのは、不気味な人骨や血の絵がリアルに描かれていて

その上心霊病棟って血のように赤い文字で書かれているダンボール製の看板


昔から幽霊とかおばけとか信じていて

怖いのに、その上病棟って…


さらに怖さが引き立てられるけど、

そのまま蓮先生の後に続いて入ってしまった。