君がいたから


キョロキョロしながら、出てみると
会いたかった人がいた。


「結愛ちゃん 」


私に気づくとニコニコして、手を振ってくれる。


「れ、蓮先生………」


話すことがないわけじゃないのに、
目の前に蓮先生がきた瞬間、
急に言葉が出なくなる。


せっかく、来てくれたのに
意識してしてしまうと、
恥ずかしさで目をそらしてしまう。


思考が停止していると、美月と香帆も出てきた。


「結愛って、休憩まだだったよね?
せっかくなんだし、いっしょに回っておいでよ 」


「結愛、朝からすごいソワソワしてたんですよー 」


「そうそう、恋する乙女みたいな顔をして 」


ちょっと…蓮先生になんてこと言うの?



絶対引かれるじゃん…

そう思っていると、頭の上にポンと手をおかれる。


「結愛ちゃんが、楽しみにしていてくれたなんて俺、嬉しいな 」


さっきの笑顔を崩さない先生。


「じゃあ、結愛照れないで、頑張って 」


教室から出ようとすると
耳もとで美月にささやかれた。