君がいたから



「嫌、点滴しないの グスン………ヒック 」


「ごめんね…嫌な気持ちはわかるけど、痛いの一瞬だから、結愛ちゃんなら頑張れるよ 」


左腕を蓮先生に持たれて、
消毒される。

このヒンヤリとする感覚でさらに
恐怖を感じて、腕を動かしてしまう。


「怖いな…
でも、動いたら危ないから、動かないで
すぐだから、よしよし 」


キラン…と光る針を腕に近づけてくる蓮先生…

逃げようとするけどさっきより握る力が強くなって、腕をまっすぐに固定されてしまった。


「痛いよ、ごめん ………」


その直後腕に鋭い痛みが走る。


「痛いっ グスン………」


やっぱりいくら優しくても
医者なんて大嫌い…


点滴を刺し終えると、プィと反対方向を向いてしまう。