髄液検査から1週間がたった。


「…………痛い…痛すぎる 」

体のあちこちが痛くて、思わずそんな声を出してしまう。


髄液検査の日から気づいていたけど
なんだか体が変…

貧血も酷くてほとんど立てないし

全身あざだらけ…

抗がん剤もしていないのにほとんど食べられない。


何も知識がない私でも
明らかに悪化しているんだなと実感させられるほどだ。


だけどそのことを、蓮に聞く勇気はない。

自分の体のことだから知りたいけど、知ったときに、
自分が正気でいられる気がしないから…


怖いからギューッと目をつぶり
布団にもぐって震えていると、
誰かに布団を捲くられる。


目を少し開けると涙が浮かび、ぼんやりと視界に蓮の姿があった。


「結愛…これから大事な話があるけど大丈夫? 」


蓮の後ろにはお父さんとお母さんの姿もあり
嫌な予感がする。

視界もグラグラとゆがみ…
聞きたくないと頭だけでなく…体まで拒否しているようだ。

でも、その場から逃げ出すような体力なんてなくて蓮の手をギューッと握る。


心が恐怖に覆い尽くされて

ガクガクして手に力は入らないし
熱くもないのに手から変な汗が出てしまった。