いつものように 食事をして 街を歩いて。

「祥太。寒いよ~。」

11月に入って 日ごとに 寒くなる。


「もっと くっ付いて。ほら。手は ポケットに入れて。」

祥太は 私を 包むように 抱く。

「うーん。祥太。これじゃ 歩けないよ。」

ピッタリ くっ付き過ぎて 歩きずらくて。

立ち止って 祥太を 見上げる私。


見つめ合った瞳が フワッと 優しくなって。

祥太は 首を傾げて 唇に触れた。

「んっ…祥太。」


人影の 途絶えた道端で。

そっと 触れた唇を離すと

祥太は 細い路地に 入っていく。


「まどか…」

私を 正面から 抱き締めて。

もう一度 キスをした。


甘く 長いキスに 身体中が 熱くなり。

私は 足から 力が抜けていく。


「あ……」

小さく 洩れた声で 唇を離した祥太。


「身体が 熱くなっちゃった…」

上目使いに 祥太を見て 私が言うと

祥太は もう一度 私を 抱き締めた。