「ねぇ 祥太。どうして 私を誘ったの?」

「好きだから。」

「だから…どうして 私を 好きになったの?」

「好きになるのに 理由なんて ないよ。」


随分 寒くなった街を 私達は よく歩いた。

肩を抱かれて 歩きながら

話すことが 私は 好きだった。


「じゃ まどかは どうして 俺の誘いに のったの?」

「どうしてだろう…私 あの日まで 祥太のこと 全然 意識してなかったの。」

「だろ?知ってる。」

「えっ?」

「だから 俺 遠慮なく まどかを見てられたんだ。」

「私を?ずっと 見てたの?」

「そう。ずっと。」


私は 胸が熱くなって 祥太に 寄り掛かる。


「私ね。祥太と目が合うと すごく ドキドキしちゃって。」

「うん。それも 知ってる。」

「やだ〜。全部 お見通し?」

「それくらい まどかが 好き。」


私は ハッとして 立ち止まってしまう。