部屋に戻った私は 

祥太にもらったコーヒーを 飲みながら

光司の思い出を 整理した。


スマホに残っている 写真を消して。

光司の ラインと連絡先も 消した。


2人で買った ペアの小物や

光司にもらったものは 全部 捨てた。


「まどか。何 ガサガサ やってるの?」

母が 心配そうに 部屋を覗く。

「うん?断捨離。」


今朝の私の顔は 普通じゃなかったから。

きっと 母は 心配している。


「あのね お母さん。私 光司と別れたから。」

「ああ。そうなの。」

「私 他に 好きな人が できて。」

「へぇ。まどかって そういう子だったの。」

「そういうって?」

「ううん。何でもない。」


母の言葉の 真意は よくわからなかったけど。

「そのうち 新しい彼に 会わせてね。」

そう言って 母は 私の部屋を 出ていった。


そう言えば 会わせてと言いながら

光司を 母に 会わせなかったなぁ。


自分から 別れを告げたくせに

私には 祥太がいるくせに


光司のことを 考えると 涙が滲んだ。