『まどか。ごめん。俺 色々 考えたんだけど。いくら忙しいからって まどかを 放っておき過ぎた。まどかが 他の人 好きになっても 仕方ないな。』

夜 9時過ぎに 光司から 電話が入る。

たった一晩で 光司の声は 落ち着いていた。


『ううん。私が いけないの。光司は 悪くないよ。』

『俺には もう 1mmも 希望はないの?』

『今は その人のことしか 考えられないから。』

『そうか。すごく辛いけど。まどかを 応援する気には なれないけど…』

『光司…』

『もし まどかが その人と うまくいかなかった時は また 戻って来いよ。』

『ううん。そんなこと ダメ。光司も 新しい道を 進んで。』

『いいんだ。今は そう思って 自分を支えるから。』

『光司… 色々 ありがとう。光司と過ごした時間は 一生 消えないから。』


私は やっぱり 涙が 溢れてしまう。


光司一色だった 大学時代が 胸に溢れて。

引き戻されるような 切なさに 私は しゃくり上げる。