「ねぇ まどか。何か サークルに入ろうよ。」

朝から たくさんもらった ビラを眺めて 美香は言う。

「うーん。面倒くさくない?」

「でもさ。人多すぎて。このままじゃ 逆に 友達 できないよ?」

「サークル自体 よくわからないし。」

私は 貰ったビラを パラパラと見た。


「あっ。これこれ。このくらい 緩いのなら いいと思わない?」

隣で 美香は 一枚のビラを 私に 見せる。


” 活動は 月に2回。ゆったり 汗をかこう! ”


美香に 差し出された ビラを 私は見る。


「新歓コンパ 行こうよ。先輩達の 雰囲気見て 決めればいいんだからさ。」

元気いっぱいの美香に 私は 笑ってしまう。

「ねぇ 美香。何で そんなに元気なの?」

「最初が肝心って 言うじゃない。出遅れたら ずっと つまんないまま 4年間なんて すぐ終わっちゃうからね。」

「そうかな。じっくり落ち着いて 色々 決めた方がいいんじゃない?」

「まどかは 慎重すぎるから。チャンスを逃すんだよ。これからは グイグイいこうよ。」

「美香~。もしかして これ配ってた人 好みだったんでしょう?」

私は クスッと笑って 美香を睨む。


「まあ。少しは それもあるけど…」

美香は ギクッとした後で 笑顔で頷いた。