初めて 光司の部屋に行ったのは

3回目のデートの後。


「光司 案外 綺麗にしてるね。」

「そお?狭いから。片付けないと 足の踏み場が なくなっちゃうからね。」

「あんまり 自炊しないの?」

「このキッチンじゃ 料理つくれないよ。それに バイトの日は 賄いがあるから。」


私が 光司の部屋を 見回したのは 照れ隠し。

ベッドの 存在感が 恥ずかしかったから。


「コーヒー 淹れるね。まどかは 座ってて。」

「あっ。私が 淹れるよ。」


光司の手から マグカップを受け取ると

光司は 私を 抱きしめた。


「光司…」

私も 光司の背中に 手を回して 抱きつく。

「まどか 好きだ。」


光司は そっと 私の顎を上げて キスをした。

柔らかく 唇に触れるだけの 優しいキスのあと

光司は 溶けるような 熱いキスをした。